フッテージ
ずしりと重い恐怖がのしかかる。
これは、いい。
一花咲かせたきり、パッとしないドキュメンタリー作家、エリソン。
もう後がない彼が次作の題材にと家族全員で移り住んだ家は、迷宮入りした一家惨殺事件が起きた、いわくつきの物件。
この家では、かつて何者かによって一家全員が庭の木に吊るし首にされ、幼い1人娘だけが忽然と姿を消したという。
取材執筆を続けるエリソンは、家の屋根裏で複数の8mmフィルムを見つける。
そこには凄惨な一家惨殺の一部始終が残されていた…。
そんな感じで始まるんだけど、この記録フィルムたちの映像がヤバイ。
見ちゃいけないものを見てしまって、もう後戻りできない感覚を、主人公エリソンと共にじっくり味わいつつ、深い奈落の底に落ち込んでいく感じ。
原題は「SINISTER」。
不吉な、縁起の悪い、悪意のある、邪悪な、などの意。
まさにまさに、なタイトル。
見終わった後の何とも言えない余韻を味わいたくて、立て続けに2度観た。
おっかねぇ映画です。