イングロリアス・バスターズ
『フューリー』のウォーダディに並ぶ、ブラピ先輩の鬼軍人ぶり全開作品、『イングロリアス・バスターズ』。
アパッチの末裔・レイン中尉(ブラピ)率いる、ユダヤ系アメリカ人を中心とした特殊部隊が、第2次世界大戦後期のフランスを舞台に、ナチスを血祭りに上げる。
タランティーノ監督が「戦争」というフォーマットを使って、お得意のテイストで、緊迫感とヴァイオレンス、ユーモアをごった煮にした痛快作品。
見どころは“ユダヤ・ハンター”ランダ大佐。
いくつもの言語を巧みに使いこなし、ジェントルかつチャーミングな面を見せる一方で、ユダヤ人や有色人種などに対しての徹底した冷淡さと残酷さを見せる、その二面性を狂気に満ちた空気感を放ちつつ演じるクリストフ・ヴァルツが最高。
クリストフ・ヴァルツは、その後もタランティーノ監督の『ジャンゴ』で、一応正義サイドではあるものの、絶対的な「力」を行使して、悪人というカテゴリーの人間たちを無慈悲に葬り去るバウンティ・ハンターの役を好演してるけど……きっとあの狂った感じは、そもそもクリストフ・ヴァルツ本人の人格から来ているものなのかも。
おかしいよ、あの人。
史実を丸っきり無視して暴走するストーリーが素晴らしい。
まさか、あんな……ねぇ?
あ、あと“ユダヤの熊”役でバットをフルスイングしてナチスを撲殺するイーライ・ロスがカッコイイ。
彼はどこに行きたいのか……。